コードは覚えていますか?どのようにしてコードを覚えるかで、その後のギターへの理解が変わってきます。実はコードがどのように作られているか分かれば、非常に簡単にコードを理解することが出来ます。ここでは簡単なギターのコード理論を紹介します。
重要なコードの7つポジションを覚えてしまえば、世間で流れているロック・ポップミュージックのほとんどを理解することが出来ます。
初心者に必要な7つのコードポジション
7つのコードポジションは「ダイアトニックコード」と呼ばれるコードです。これはメジャースケール(メジャースケールについてはギターのドレミの覚え方は?表を使って初心者向け簡単解説の記事が参考になります)と密接な関係があります。
聴いたことのあるロック・ポップミュージックのほとんどはこの「ダイアトニックコード」で構成されています。「ダイアトニックコード」は数々の場面で実用可能なコードです。
これを覚えておくだけで、作曲、ソロ、アドリブなどの創作に非常に役に立つ上、楽曲の構成も理解することが可能になりますので、必ず覚えて下さい。
ダイアトニックコード
ダイアトニックコードはメジャースケールにある音階のみで構成されたコードのことです。どのようなものか下の図を見て下さい。
上の図のKey of CのダイアトニックコードはCメジャースケールの構成音で成り立っています。単純にCメジャースケールの構成音の上に、音符の黒玉を乗せただけで出来上がります。3和音(トライアド)と4和音がありますが、4和音を理解すれば3和音も理解できますので、ここでは4和音を使って説明します。
上の図は4和音にコード名を入れました。種類別のコードの読み方ですがCmaj7(Cメジャーセブン)Dm7(Dマイナーセブン)G7(Gセブン)Bm7♭5(Bマイナーセブンフラットファイブ)と読みます。頭文字はアルファベットをそのまま読んでください。
メジャースケールのドレミの音が一番下にあり、その上に3つの音が重なると4和音となり上記の呼び方をします。重なった3つの音は、すべてメジャースケールの構成音です。
不思議に思った人もいるかもしれませんが、メジャースケールの音しか使っていないのにマイナーのコードが出ている点に気づいたでしょうか?下の図を見て下さい。
コードというのは基となるRoot(根音)から見て、他の音がどの音程にあるかで響が決まりますので、例えばDm7のRoot音Dから見たら2番目のFの音は、マイナーの響きを決定づけるマイナー3度(短3度)になるのです。
Dから見たFがマイナーの音でもCメジャースケールから考えたらF=ファの音でもあるのです。つまりKey of Cのダイアトニックコードは、Key of Cの曲の中でどれを使用してもすべて合うのです。別の言い方をすれば、この7つのコードポジションさえ弾いていれば、外すことはありません。
なぜなら、Cメジャースケールの音のみで構成されているからということになります。お互い同じ音で構成されているので、合わない音がないということですね。もちろん他のKeyになっても全く同じです。以下の図に、全Keyのメジャーダイアトニックコードを載せましたので参考にしてください。
補足ですが、緑の1度(Ⅰ)と記載のあるものをディグリーネームと言います。Key of Cであれば主音であるCから順番に数えた番号をそのまま当てはめて呼びます。Em7であれば3度マイナーと3度マイナーセブンなどと呼びます。コード理論でよく使う呼び方ですので、覚えておいて下さい。
ダイアトニックコードの使い道
ダイアトニックコードの使い道は非常にたくさんあります。中でも代表的なものをご紹介します。
作曲
使い道の一つに「作曲」があります。作曲する時に必要なのがコードですが、メロディーラインが先にできたとしても、「コード進行」によって印象が全く変わります。この作曲の要(かなめ)となる最重要のコード進行を作るにあたって絶大な効果を発揮します。例を挙げてみましょう。
上記のコード進行は、明るいイメージのメジャーの曲に使われる代表的なコード進行です。弾いてみるとわかると思いますが、明るい印象を受けるでしょう。私は良く作曲中に困ったことがコード進行でした。
感性で行きたいコード進行は頭に鳴っているのですが、絶対音感などがない私には、実際にどのコードを使うとイメージ通りになるのかはわかりませんでした。そこで助けとなったのが、このようなコード理論です。
私はコード理論を過去の音楽家が特別な音感がない人でも、理論で考えることで、音楽をもっと楽しめるようにしたものだと考えています。実際に私の音楽の幅は広がり、できることが増えて作曲や演奏がさらに楽しくなりました。
ギターソロ
ギタリストなら絶対に弾きたいはずです。ギターソロをカッコよく聞こえさせるテクニックの一つに「コードトーンを追う」があります。ソロのバックでは自分以外の楽器によって、コードが進行しています。
そのコードが移り変わるときに、次のコードのコードトーンを入れたフレーズを使うと、とてもメロディックでカッコいいソロになります。このコードトーンを追うには、コードを知らなければなりません。
世の中のロック・ポップミュージックのほとんどがダイアトニックコードでできていますので、ダイアトニックコードを覚えればほとんどの曲でカッコいいソロが弾けることになります。
アドリブ
アドリブでギターソロや演奏が出来たらかなりのカッコ良さですよね。実はアドリブはその場で思いついたものだけを弾いているのではなく、ほとんどが常日ごろに創作していたソロフレーズをコード進行に合わせて弾いています。
事前にソロフレーズを創作しておくことが大事ということですね。その為にはギターソロを作ることと同じで、ダイアトニックコードを理解していると創作の幅が広がります。
ダイアトニックコード7つのポジション:まとめ
ダイアトニックコードは非常に奥が深く、そして多岐にわたって使用できるコードの要です。非常に伝えるべきことが多いので、実践的な使い方については別の記事で紹介します。ここで把握して欲しいことをまとめました。
- ダイアトニックコードは7つのコードポジションがある
- ロック・ポップミュージックのほとんどがダイアトニックコードでできている
- 作曲時などコード付けに非常に有効
- ギターソロやアドリブの創作に有効
以上を把握していれば、大方のダイアトニックコードの用途について理解できたも同然です。余裕のある方は上述したダイアトニックコードでコード進行を作ってみて下さい。響きの違いなどを耳で感じることが基本中の基本ですので、コード感を養うトレーニングになります。