リズムにのってますか?唐突な質問でしたが日々のギターの練習において、リズムに乗りながらする練習は非常に効果的です。ただし、練習を最も効果的にするには、正しいリズムの捉え方が重要になってきます。
ここではリズムを捉えるうえで頼りになる裏拍という考え方を使って、私が非常に役に立ったリズムの捉え方を紹介します。
裏拍とは?
裏拍は対象となる表拍を2分割してできた音符のうち、2番目に来る拍のことを裏拍と呼びます。例えば、対象となる表拍に4分音符があれば、8分音符に2分割した2番目の音符ということになります。8分裏と呼びます。また、対象となる表拍が8分音符の場合は、16分裏と呼ばれています。
※3連符の裏拍には別の解釈があります。
裏拍を捉える
では実際に裏拍を取ってみましょう。「裏拍を取るときは必ずメトロノームを使うこと」そして、今回は8分裏を取ることから始めます。始めからギターで裏拍を取ることはかなり難しいので、手拍子で慣れていきましょう。それでも難しいと思いますが挑戦してみてください。
テンポは♩=100くらいで始めて見るのがいいと思います。まずメトロノーム(以下クリックと呼ぶ)を鳴らして速度に慣れましょう。そこからクリックの裏である下の段8分音符を手拍子で取りましょう。
どうでしょう?できますか?下の音声のようになっていれば正解です。※音声は♩=100のテンポです。
どうしてもクリックの頭拍と一緒になってしまうという人は掛け声を加えてみて下さい。「ワン、エン、ツー、エン、スリー、エン、フォー、エン」この「エン」の部分が手を叩くポイントです。「エン」とはandのことです。
日本語で分かりやすいのが「いち、とー、にー、とー、さん、とー、しー、とー」この「とー」の部分が手を叩くポイントです。音声と違っていた人は音声を聴いて真似してみて下さい。大体クリックの音の間に手拍子が入っていればまずOKです。
どうでしょう?これを永遠と10分でも20分でも続けられるようになります。実際の演奏では1曲3分~6分くらいの演奏時間ですので、そこまで続ける必要はありません。
ただ、練習では最終的に♩=230とかくらいの速さでも、簡単にできるくらいになっているといいですね。裏拍をとることが容易になるということは、自分の中にしっかりとしたリズムが刻まれ初めているということになります。その状態になる為に様々な練習方法を使って、裏拍を強く感じるわけです。
裏拍を表拍にして捉える
さて、裏拍をさらに強く感じる為の練習方法として、裏拍を表拍にして捉える方法があります。これは先ほど裏拍の部分で手拍子していたものを表迫(頭拍)にすること。つまりクリックの音の部分(ワン・ツー・スリー・フォーのカウントの部分)を裏に持ってくる方法です。
上記の音声と聴こえ方は一緒ですが、感じ方を変えることでグッと難易度が上がります。実際に手拍子で行う時には、表拍(頭拍)の手拍子の部分に口でワン・ツー・スリー・フォーと言いながら行います。
では、実際に挑戦してみましょう。メトロノームは先ほどと同じ♩=100くらいで挑戦してみましょう。どうでしょう?出来ましたか?下の音声のようになっていれば正解です。※音声は♩=100のテンポ
恐らくクリックと同じところに、カウントが重なってしまう人が多いのではないかと思います。原因は、まだクリックを聴いてから手拍子をするタイミングを決めているからです。クリックを頼りにリズムを取ろうとすると、なかなか裏拍を強く感じることができません。
ある瞬間「これだ」と体感するリズムの捉え方
裏拍は何のために感じる必要があるのか?そこに「これだ」と感じるリズムの捉え方があります。楽曲にはテンポがあり、テンポがあれば必ずそこにリズムが発生します。そしてリズムにはぞれぞれの幅があり、幅の長い大きいなものから短い小さいものがあります。
リズムは大きなリズムを主体として感じることが重要ですが、初めの頃はその大きなリズムの幅が曖昧です。その大きなリズムの幅を正確に身に付ける為、裏拍を感じて小さなリズムを感じることで、大きなリズムの幅を身体に覚え込ませます。
この裏拍を使って、リズムを細分化する方法を理解したうえで練習を続けると、ある時にふと自分の中に自動的にリズムが流れていることに気づきます。ここが「これだ」と感じる時です。実際どのように頭の中で流れているかを図にしてみました。
私の場合は曲やメトロノームが流れると、頭の中に大きなリズムの1.2.3.4.というカウントとともに、その曲の基調となる小さなリズムが自動的に流れます。そのリズムのガイドが自分の中で流れているので、そこに合わせて自分の演奏するパートのリフやメロディーを弾いていくイメージです。
このリズムのガイドが自動的に流れるようになると、自分自身の演奏に違いが出たことに気付くことになります。裏拍を強く感じる練習をすることは、すべて小さなリズムから大きなリズムの幅を知り、大きなリズムを主体として、小さなリズムのガイドを頭の中で自動的に流せるようになる為にあります。
これができるようになると、かなりの上級者になっていると思いますので、そこまで焦らず気長に練習し続けて下さい。他にも16分音符の裏や3連符の裏などを使った練習方法などがたくさんありますので、また別の記事で紹介します。