ギターのスケールについては色々勉強してるとは思いますが、少し困っている人もいませんか?スケールもたくさん種類があって、その存在を知れば知る程どれを覚えるべきか、なかなか判断がつかないと思います。
正直覚えるべきスケールと、なかなか使わないスケール、使う頻度は少ないけど覚えて置いた方がいいスケールなど様々です。ここでは覚えて置くべきスケールの基本となる7つの種類を紹介します。
基本のスケールとは?
基本のスケールと聞くと良く言われている「メジャースケール」を思い浮かべますよね。メジャースケールもその内の1つです。ただし、恐らく今まではスケールを活用するにあたって「この曲のキーはGだからGメジャースケールを使おう」とGメジャーを弾くという使い方だったと思います。
間違いではありませんが、この考え方で弾くとスケールの音楽的な特性を活かすことはできません。言葉を言い換えれば「カッコいい演奏」「感情を揺さぶるような演奏」にはなかなか及びません。
実はメジャースケールを「ダイアトニックコード」上で演奏すると7つの響きを奏でることができるスケールとなります。これを「チャーチ・モード(教会旋法)」と言います。この「チャーチ・モード」をスケールの基本として使えるようになると、演奏力も飛躍的に上がりますので、覚えていきましょう。
「チャーチ・モード」を理解する上で必要な知識があります。「メジャースケール」と「ダイアトニックコード」です。この2つについてまだわからない人は以下の関連記事を参考にして下さい。
メジャースケールについては、
ダイアトニックコードについては、
もう既に知っているという方は下の記事へ進んで下さい。
チャーチ・モード(教会旋法)
チャーチ・モードはダイアトニックコードと密接な関係にあります。その種類は7つありそれぞれ響きが違います。キーをCとして紹介します。
- Ⅰ度 Cmaj7=イオニアン(アイオニアン)・スケール(メジャースケール)
- Ⅱ度 Dm7=ドリアン・スケール
- Ⅲ度 Em7=フリジアン・スケール
- Ⅳ度 Fmaj7=リディアン・スケール
- Ⅴ度 G7=ミクソリディアン・スケール
- Ⅵ度 Am7=エオリアン・スケール(マイナースケール)
- Ⅶ度Bm7♭5=ロクリアン・スケール
聞いたことある名前もあると思いますが、上記の7つのスケールがチャーチ・モードの各スケールとなります。各スケールの前にあるコードをよく見ると、Cのダイアトニックコードになっていることが分かると思います。演奏する上でこのダイアトニックコードが響きを決定づける重要な要素となります。
メジャー系とマイナー系
チャーチ・モードを理解する時は、まずメジャー系のスケールとマイナー系のスケールに分けて考えましょう。
メジャー系
イオニアン・スケールはメジャースケールと同じです。M3度(メジャー3度)の明るいメジャーの音を決定づける音程が入っています。
ダイアトニックコードのⅠmaj7(1度メジャーセブン)のコードでイオニアンの響きとなります。このイオニアン(メジャー)・スケールから他のメジャー系のスケールの違いを把握していきます。
リディアン・スケールはイオニアン・スケールの4度の音から並べ替えてできたものです。メジャーの音を決定づけるM3度の音があります。イオニアンとの違いは4度の音が♯(シャープ=半音上がる)しただけです。赤字になっているaug4はオーギュメントフォースもしくは増4度と読みます。
リディアンはこの増4度の音を強調することで、独特の雰囲気を出すことができます。ロック系でも使われたりしますが、Jazzやフュージョンのように少しお洒落でモダンな聴かせ方をするジャンルで、良く使われているイメージです。
ミクソリディアン・スケールはイオニアン・スケールの5度の音から始めたものです。メジャーを決定づけるM3度の音がありますが、同時にM7(長7度)の音を♭(フラット=半音下げる)したm7(短7度)音が入るのが特徴です。かなりの頻度で使われるスケールですので早めに覚えたいですね。
マイナー系
ドリアン・スケールはイオニアンを2度の音から並べ替えたものです。マイナーの音を決定づけるm3(短3度)の音が入っています。また、後に出てくるエオリアン(マイナー)・スケールとの違いは赤字になっているM6(長6度)の音程です。
使用頻度は非常に高く、ギタリストとしてはかなり使いやすいスケールだと思います。私は個人的にかなり好きなスケールで、ドリアンの特徴的な音になるM2(テンションの呼び方としては9度)とM6(テンション13度)を繰り返すようなフレーズが好きで、マイナーのコードが出てくると良く使用します。
フリジアン・スケールはイオニアンを3度から並べ替えたものです。マイナーを決定づけるm3度の音が入っています。エオリアンとの違いは長2度が♭(フラット)してm2(短2度)と音になっています。使用頻度はさほど多くはありません。
エオリアン・スケールはイオニアンを6度から並べ替えたものです。つまりナチュラルマイナースケールです。マイナーのスケールの基本になりますので、しっかり覚えたいところです。
ロクリアン・スケールはイオニアンを7度から並べ替えたものです。エオリアン・スケールと違うところは短2度とdim5(ディミニッシュフィフスまたは減5度)と呼ぶ音程が入ります。正直なところ、ロクリアンが使われている音楽は記憶に無いくらい使用頻度はかなり低いです。
初心者の方やロックギタリストを目指している人なんかは、理屈と存在だけ覚えていれば無理に覚える必要はないと思います。プロを目指したり、Jazz系フュージョン系ギタリストなんかを目指している方は、覚えて置いた方が良いですね。
ここまで紹介したチャーチ・モードですが、使いこなすにはどのような構成音で出来ているかを知る必要があります。今回で「構成音の仕組み」と「ダイアトニックコード」との関係が分かったと思います。
それぞれのスケールの活かした方や覚え方については、少々難しく長くなりますので、また別の記事で紹介して行きます。