マイナースケールと言っても、いくつか種類があることはご存知ですか?今回はマイナースケールの中でも、基本に当たるナチュラルマイナースケールの覚え方をご紹介します。
このスケールはもう既に弾いたことがある人も多いと思いますが、実はあるスケールを使うと、驚くほど簡単に覚えられるスケールなのです。
ナチュラルマイナースケールとは?
ナチュラルマイナースケールとは、別名エオリアンスケールとも呼ばれるマイナースケールの基本です。基本と呼ばれるのは、メジャースケールから考えた時の音程の変化が少なく、非常に分かりやすい。
そして、他のマイナー系のスケールを理解するときに分かりやすくなるからだと思われます。音階の特徴として単純に明るいメジャースケールに対して、暗い響きを持っています。
ナチュラルマイナースケールとメジャースケールの比較
ナチュラルマイナースケールとメジャースケールの比較を使って基本を覚えることによって、理解度が変わりますのでしっかり覚えましょう。メジャースケールがまだわからない人は「ギターのドレミの覚え方は?表を使って初心者向け簡単解説」記事が参考になります。それではまず下の図を見て下さい。
CメジャースケールとAナチュラルマイナースケールの比較した図です。まず、メジャースケールとマイナースケールのそもそもの違いは何にか?ということです。結論から言うと「音程の配置」が違います。
メジャースケールは図の上の段のようにC(ド)から数えて、3番目と4番目の音程と7番目と8番目の音程が半音(他全音)になっています。ナチュラルマイナースケールはA(ラ)から数えて、2番目と3番目の音程と5番目と6番目の音程が半音(他全音)になっています。
この「第3音と第6音が半音程になっていることが、マイナーの暗い印象を決定づけている要素であり、大きな特徴」です。メジャーとマイナーの違いはこの第3音と第6音が大きく違うというわけです。
ここで少し疑問に思われている人もいるかもしれませんが、なぜAナチュラルマイナースケールに対してCメジャースケールの比較なのか?実はこの二つのスケールは同じ音階で作られています。
cメジャースケールの第6音Aの音から始めたものが、Aナチュラルマイナースケールなのです。下の図を見て下さい。
音の高さは違っても、使っている音符はすべて同じことが分かると思います。これが覚えるコツです。ギターではナチュラルマイナーについてはメジャースケールとの関係性を覚えてしまえば、「メジャースケールを使うことで、新たにポジションを覚える必要がない」ということが分かります。
ナチュラルマイナースケールを弾く
ナチュラルマイナースケールがメジャースケールと同じ音で構成されていることが分かれば、後は実践あるのみです。ナチュラルマイナースケールのポジションを見ていきましょう。スケールにおいて、密接な関係にあるコードトーンを意識した図になっています。
スケールとコードトーンの関係については「プロから学んだギタースケールの練習法!弾き方に差がつく3つのポイント」の記事が参考になります。では下の図を見ていきましょう。
メジャースケールの同じポジションですが、弾き始めの音が違います。6弦5フレットのAの音になります。まずは右側のコードをどちらでもいいので、1度「ジャーン」と鳴らしてから弾き始めましょう。
最初にコードを鳴らすことで、頭にコードの響きがインプットされて響きを感じやすくなります。運指(フィンガリング)がわからない人は「「ギターのドレミの覚え方は?表を使って初心者向け簡単解説」の記事が参考になります。
6弦5フレットのAの音から弾き始めて、1弦の5フレットまで行って折り返します。そして6弦1フレットまで行ったら折り返して、6弦5フレットまでで1往復です。
どうでしょう。暗い響きではないですか?重要なことは「緑の〇」で囲まれたm3度(短3度)とm7度(短7度)の響きを良く感じてください。この二つのコードトーンはマイナー感を強く出す音です。配置と響きを覚えて下さいね。
また、ナチュラルマイナースケールにおいて第6音(AmのKeyではF音)は「アボイドノート」と呼ばれる強調させない音、多用すると和音の響きを損なう音とされています。
これはメロディーラインやソロの一部などに使われる分には問題ありませんが、頭拍に使ったり連続使用すると、和音としての響きが損なわれるため使い方に注意が必要です。以上を踏まえて他のポジションも弾いていきましょう。
6弦5フレットから弾き始めるパターンです。弾きにくい箇所はないと思います。
こちらのポジションは4弦7フレットから弾き始めるパターンです。4弦から始めるポジションは少し変わっていますが、このパターンはフィンガリングが非常にしやすいので、多用することになると思います。
5弦の12フレットから始まるパターンです。このワイドストレッチのパターンは8フレットと9フレット上は人差し指で、10フレットは中指、12フレット上ではすべて小指を使います。
これは非常に良く使うパターンですね。フィンガリングもしやすいので覚えやすいと思います。上記で紹介してきたスケールのポジションは、指板全体のポジションを切り取ったものです。
必ずしもこのパターンが正しいわけではなく、いくつかのパターンがありますので、自分の覚えやすいようにパターンを変えても問題ありません。
以上の全体ポジションも参考にしてください。
まとめ
ナチュラルマイナースケールはマイナーの基本となるスケールですので、コツを抑えて簡単に覚えてしまいましょう。
- 「メジャースケールとの関係性を理解し、メジャースケールのポジションをそのまま利用する」
ナチュラルマイナースケールを理解し弾けるようになると、ソロやアドリブの幅が広がりできることもたくさん増えます。他スケールの理解も早くなりますので、非常に重要です。早く覚えてギターをさらに楽しく演奏しましょう。