耳コピーはしていますか?曲のコピーを楽譜を使わずに耳のみでやり切ることは、恐らくすべての上級者以上のギタリストが口をそろえて大事だと言うでしょう。
耳コピーをしたことがある人は分かると思いますが、かなり難しいですよね?聴き方のコツを掴んで、耳コピーをこなしていると、今までは聴こえてこなかった音が聴こえてくるようになります。
そこまで耳を鍛え上げるとギターの演奏力をアップさせることができます。ここでは、ギターが劇的に上手くなる耳コピの練習法を紹介します。
耳コピーとは?
耳コピーとは楽譜(タブ譜など)を使わず、自分の耳で聴いたものだけを頼りに曲をコピーすることです。
なぜ耳コピーが大事なのか?
耳コピーは、耳を鍛えるのに非常に効率のいいトレーニングです。耳は音の種類の違いや、特徴、細部を聴こうとすればするほど、普段は聴き取れないような音を感知できるようになります。その細部の音を聴き分ける能力がついてくると、自分の中で今まで聴き取れなかった音の存在に気づきます。
その音の存在に気付いているわけですから、再現性が高くなります。再現性が高くなるということは、ギターの演奏に大きな違いが表れます。
さらには他の楽器のパートも理解できるようになるので、音楽的な感性も向上します。このように耳コピーをすることで、自分の耳の能力を鍛え上げて、演奏能力を向上させることができます。
耳コピーのやり方
耳コピーの基本は音源(コピーしたい曲)をとにかく聴き込みます。この「聴く」という行為をどれだけ細部にわたって行うかで、耳コピーで得られる経験値に大きく差がでます。では耳コピーをする時の「聴く」は何を聴けばいいのか見ていきましょう。
1、コピーするパート(部分)で何を演奏しているかを確認する
確認する内容はギターが何をしているのかを確認します。
- コード(パワーコード・ストローク・カッティング・アルペジオなど)
- リフ(テーマになるフレーズ)
- メロディー
- 音色(エフェクターの種類など)
- 単音なのか?
- 何音か重ねているのか?
などを把握します。自分でギターを弾いているはずなので、この辺は最初のうちでも何となく分かると思います。
ちなみにチューニングは正確にしておいて下さい。また、曲によっては半音下げチューニングなど特殊な場合もありますので、ネットなどで事前に調べられるようでしたら、調べてみて下さい。
2、弾いて確かめてみる
何を演奏しているのか確認したら、実際音を出して弾いてみます。ここなんじゃないか?と思われる場所から探して弾いてみて下さい。必ずバシッと「これだっ!」と思える場所があります。いくらやってもハマらない感じがしたり、バシッと来ない時は、また聴き直してください。
3、聴き直す
聴きなおす時には、さらに詳細まで音を聴いてください。
- どこのフレットを使っているのか?
- 何弦を使っているのか?
そしてまた弾いてみます。この繰り返しをすることで、耳がどんどん鍛えられて行きます。そのうちにフレーズや音を聴いただけで、何を弾いて、どこのフレットで、何弦なのかまで分かるようになります。
フレーズが速くてコピー出来ない場合
良くあることなのですが、この場合はまずフレーズを口で歌えるようにします。口で歌えるようにしてから、ギターで音を探してコピーすれば、必ず出来ますので頑張りましょう。
耳コピーを初めて挑戦した人や初心者の人は、1、2、3を適宜繰り返し、1曲を通して弾けるようになることを目標にするといいと思います。1曲弾けるようになると、非常にもモチベーションが上がりやる気も出てきます。
そして、それが出来る様になる頃には、耳が鍛えられているので、もっと高度な聴き方ができるはずです。
耳コピーの精度を上げる
1曲を弾けるようになるまでコピーすると、その曲ばかり弾きたくなります。ところが、弾いているうちに「ここはもしかしたら違うんじゃないか?」と思うところが必ず出てきます。
耳が鍛え上げらえたので、当初より聴き取りの精度が上がっているからです。それに合わせてさらに詳細まで音を聴いて、耳コピーの精度を高めましょう。
1、自分の演奏を録音して聴く
最初はどんな録音機材でもいいので、自分の演奏を録音してみて下さい。そして自分の演奏とオリジナルの演奏の違いを聴き比べましょう。この聞き比べが、また耳を鍛え上げていきます。違うところが見えてきたら、また音源を聴きます。
2、さらに聴き込む
さらに聴き込むには、何を聴き込めばいいのか見ていきましょう。何かが違うと思ったところがあると思いますので、そこを見つけましょう。
- ピッキング(アタック音の違いや微妙なニュアンス)
- スライドやチョーキングなどのニュアンスの違い
- 音価(音の長さ)
- 楽譜では表し切れない音の表現
上記のような細かい演奏の違いを聴き取って、その細部までコピーしてみます。これぐらいの詳細までコピーしきることを完全コピー=完コピと呼びます。
3、弾いて比べる
聴き込んだものを弾いて確かめ、細かいニュアンスなどを比べてみましょう。もちろん今回も1,2,3,を適宜繰り返してください。オリジナルに近づく演奏をすればするほど、曲と一体になった感じになるでしょう。
補足ですが、細部の音まで聴く場合は「ヘッドホン」を使うと、普段聴こえていなかった音が聴こえたりします。また、さらに耳や感性を鍛えたい人は、以下の項目もトライしてみるといいでしょう。
- 曲中で使われている楽器をすべて洗い出す
- コードを出す(使われているテンションまで)
- 使われているスケールを探す
ちなみに無理にここまでする必要はありませんが、プロを目指す人は上記の項目に「譜面に起こす」を加えて必ずやってください。上記の項目は、プロのお仕事に必要なことがたくさん詰まっています。
初心者は「耳コピーのやり方」の1~3ができれば十分です。中級者の人はぜひ「耳コピーの精度を上げる」の1~3には挑戦してみて下さい。耳コピーができると劇的にギターが上手くなりますので、是非やってみて下さいね。