ギターの弦が良く切れて困るという人は、初心者の人に多いのではないでしょうか。弦がたくさん切れると「弦を替える手間」「買い替えるお金」「切れた時に少し痛い思いをする」などがあります。そう考えると切らずに済ませたいですよね。もちろん劣化によって、全弦を張り替える必要は必ず出てきます。
ただ、余分に弦を交換しなくて済むように対策ができれば、そんな悩みも解決できます。ここでは弦が良く切れてしまう人の為に、考えられる原因と対策を紹介します。
ギターの弦はなぜ切れる?
そもそもギターの弦はなぜ切れるのでしょうか?その原因が分かれば対策しやすくなりますので、どんなものがあるのか見ていきましょう。
- 弦に対する過度の負荷
- ギター本体の弦に接する部位の損傷
- 自分の演奏の仕方
- 経過による劣化
以上が挙げられます。この原因を一つ一つ対策できていれば、余計に弦を替えたりする必要はなくなります。
弦が切れる4つの原因と対策
それでは4つの原因から考えられる対策を1つ1つ見ていきましょう。
1、弦に対する過度の負荷
弦を必要以上に伸ばしたりすると、負荷に耐え切れず切れます。初心者の時期にしがちなものとして、弦を張る時に、1オクターブ高い音でチューニングしてしまう場合です。通常より弦を巻いていくことになりますので、弦がテンションに耐え切れず切れます。
また、新しい弦を張ったばかりの時は弦が伸び切っていない為、チューニングが狂いやすくなっています。その為、予め弦を引っ張って伸ばすのですが、その時に必要以上に引っ張ると弦が切れてしまうことがあります。
少ない事例ですが、1音半以上のチョーキングを繰り返し行うことで弦が切れます。チョーキングは弦を伸ばすことと一緒ですので、かなりのテンションをかけて弦を伸ばす1音半以上のチョーキングを過度に行うと、切れてしまいます。
1音半以上のチョーキングを多用することはありませんので、そこまで気にする必要はありませんが、曲中に出てくるほんの瞬間的な1音半チョーキングや1音チョーキングでは、ほとんど切れません。切れるとすれば、弦が古くなっている場合でしょう。
対策
- チューニング時、オクターブ違いにならないように各弦との音のバランスを聴く
- 過剰に弦を伸ばさない
意識すればすぐにできる対策だと思いますので、心がけてみて下さい。
2、ギター本体の弦に接する部位の損傷
ペグ・ナット・フレット・ブリッジなどの弦が接触するギターの部位に損傷で切れる。各部位に尖鋭(刃物のような)な傷ができたり、突起ができている状態で演奏をすると、引っかかったりして切れることがあります。
ペグ
ペグに関しては、弦を巻き上げる部位をぶつけたり、引っ掛けたりしてできた尖鋭な形の傷や突起によって、弦を巻き上げる時に切れてしまうことがります。この場合は部品を交換することで解決できます。
ナット
ナットは弦がハマるようになっている溝に、何らかの理由でできた傷が原因で、負荷がかかり切れる場合があります。この場合リペアショップで部品を交換するか、傷がついた部分を綺麗に削ってもらうことで済む場合もあります。
フレット
フレットを叩く奏法や、持ち運ぶ時にぶつけたりしてついた傷が突起したり尖鋭になると、弦は簡単に切れてしまいます。この場合、リペアショップでフレットを打ち替えるか、研磨してもらうことで解決できます。
ブリッジ
ブリッジは通常通り使用しているうちに、摩耗などが原因で溝が尖鋭になることがあります。そのような場合に弦が切れやすくなります。この場合はリペアショップでの部品交換、もしくは溝を成形してもらうことで解決可能です。
対策
- ギターの部位に傷などがある場合はリペアショップで直す
フレット打ち替えや傷の成形などは自分自身でも可能ですが、楽器の機能を損ねる可能性がありますので、リペアショップへ依頼することをお勧めします。
3、自分の演奏の仕方
自分の演奏の仕方も見直してみましょう。ピックを持つ右手に過度な力が入り、弦を弾くときに弦に対して過剰に力が働いている場合などは、弦が切れやすくなります。
特に切れる弦が6弦~4弦の巻き弦の場合は、力が入っていることが原因です。また、ストロークやピッキングのやり方も見直して見ることで解決できると思います。
ピッキングやストロークの基本がわからない方はこちらの記事が参考になります。
ピッキングは「ギターのピッキングのやり方は?上下に動かすコツはピックの位置」
ストロークは「ギターストロークでプロ並みの響きを実現する3つのコツ」
弦をピッキングしたりストロークする場合は力で弦を弾くのではなく、弦を通過する速度で力を伝えることができれば、音も良くなって弦も切れません。
対策
- 右手や左手に過度な力が入っていないか見直してみる
4、経過による劣化
弦を使い始めれば、時間の経過と共にどんどん劣化していきます。古くなった弦で演奏していると、手汗などで腐食した部分がフレットを傷付けたりして、弦が切れる原因になります。劣化を抑えることはできても防ぐことはできませんので、使用状況に応じて全弦を交換する必要があります。
弦はどのくらいでこうかんすればいいのでしょうか?私の経験から考えてみました。
- 1週間程度:まだ新しいので弦を替える必要はない
- 2週間程度:手汗が多い人は少し劣化してくる、手がドライな人は劣化は少ない、総じてまだ替える必要がない
- 3週間程度:ほぼ替え時。弦はだいぶ古くなった見た目になっている。
- 4週間程度:確実に替えるべき。この状態はかなり古くなっている状態なので、替えた方が良いでしょう。
私の場合は手汗が多くて悩んだタイプなので、弦を交換する頻度は多めでした。だいたい2週間~3週間で替えていました。また、レコーディングやライブ、演奏会、セッションの時は、その度に新しくしていました。
弦の替え時は色々な意見があります。季節や湿気に多くさらされたりする場所に長くギターを置く必要があったなど、弦が直面している状況によって違いますので、常に弦の状態を見て自分の一番いい替え時を知ることも重要です。
対策
- 遅くとも3週間~4週間の間で弦の状況に応じて適宜張り替える
弦に関しては絶対に切れないということはありません。ライブやレコーディングなどの場で弦が切れてしまうことを考えて、私は全弦セット2つと1弦~3弦を2本ずつ必ず持ち歩いていました。常にスペアを持ち歩いていると役に立つ時がありますので、皆さんにもお勧めです。