Fと聞いて「ピクッ」っと反応するギター初心者の方は多いのではないでしょうか?そうです、あの難関の「Fコード」です。正直、避けて通りたい人もいると思います。
押さえられることに越したことはありませんが、なかなか難しいという人には必見の攻略法があります。ここでは初心者の為の「Fコード」に代表されるバレーコードの押さえ方を攻略します。
また、既に押さえられるという人には、そのまま押さえ続けると「危険な押さえ方」がありますので、しっかり確認してください。
Fコード(バレーコード)とは?
Fコードに代表される、写真のように1本の指で同じフレットの弦を複数(ほぼ全部)押さえる必要があるコードを「バレーコード」「セーハコード」「バーコード」などと呼びます。3つとも同じ意味です。1本の指で複数弦を押さえることを「バレーする」とか「セーハする」と言います。
※バレー(セーハ)コードとは別に開放弦がある(押さえない弦がある)コードを「オープコード」と言います。
Fコードの押さえ方:バレーコードを押さえる
まずは基本通りのFコードの押さえ方に挑戦してみましょう。押さえる位置は下の図のポジションになります。
※Fコードをトライしたけど駄目だった方は、この項を飛ばして下の「Fを簡単に押さえる方法」を参照してください。
図の横線は弦を、縦線はフレットを表しています。○は押さえる場所と漢字は押さえる指を表しています。
- 6弦1フレット人差し指
- 5弦3フレット薬指
- 4弦3フレット小指
- 3弦2フレット中指
- 2弦1フレット人差し指
- 1弦1フレット人差し指
人差し指で押さえる部分を棒状に表していますが、この部分が「バレー(セーハ)」と呼ばれています。押さえ方は以下の写真のようになります。
このFコードの押さえ方のコツは、ネックの後ろと上から見たポジションにあります。まずは後ろから見たポジションの写真です。
親指の位置はネックのR(アール)の頂点付近のところです。下の写真のように、親指を上に持って行ってしまうと押さえられなくなりますので、しっかりと親指の位置を掴んでください。
そして、上から見た写真が下の写真です。
人差し指が斜めに傾いてますよね?無理にまっすぐにする必要はありません。「人差し指を少しだけ傾かせる」と側面で押さえることになります、実際やってみると全弦が押さえ易く、バレー(セーハ)しやすいことが分かると思います。
この形が出来たら、他の指は下の写真のように、寝かせずにしっかりと立てて下さい。
できたら、6弦からそれぞれ弦を弾いていきましょう。どうですか?綺麗に音は鳴っているでしょうか。音が鳴っていない人は押さえ方を見直してトライしてみて下さい。
この押さえ方が特に難しく感じるのは、Fを押さえる位置が自分の胴体から一番離れた場所である為に、非常に窮屈な手の形と手首の形が必要になるからです。Fの形のまま8フレットにスライドさせて押さえてみて下さい。Cのコードになりますが、Fに比べて非常に楽になるはずです。
これは手の置く位置が胴体に近づいたためです。これを応用して、Fを上記で示した形のまま少し楽に抑える方法があります。それは「ギターを上に傾ける」です。
写真のようにギターを傾けると、手の位置が少し胴体へ近づくので、弾き易くなります。立って弾く場合だと自然とギターを傾けたりするので、むしろこちらの方が弾き易いという人は多いと思います。
Fコード・バレー(セーハ)コードの「危険な押さえ方」
初心者に多く見られる、バレーコードの「危険な押さえ方」があります。当てはまる方はここで確認して、正しい押さえ方に矯正しましょう。
何が危険かわかりますか?手首の角度が、直角に近く曲がっているのが分かると思います。手首がこれだけ曲がっている状態で、長時間の練習や演奏をしていると、血流が悪くなり腱鞘炎になります。
腱鞘炎は一度なると癖になり、炎症が落ち着くまではギターを弾けない上、再発し易くなります。そうなる前に正しい押さえ方に矯正してください。下の写真が正しい押さえ方です。
比べてみると分かりますが、手首の角度が全く違いますね。すぐに矯正すれば問題ありませんので、安心してください。
Fコードを簡単に押さえる方法
どうしても、「バレー(セーハ)する押さえ方ではできない!」と言う方には簡単にできる方法をご紹介します。
Fコードのバレー(セーハ)しない押さえ方
まずはロック式と呼ばれる、握り込んで押さえる方法です。ギターを腰から下の方で構えたい方(ロック系の人に多い)や掌が大きい方にはおすすめです。
- 6弦1フレット親指
- 5弦3フレット薬指
- 4弦3フレット小指
- 3弦2フレット中指
- 2弦1フレット人差し指
- 1弦ミュート(人差し指の腹を使う)
親指を6弦1フレットに使いますが、すべて握り込まなくても音が鳴りますので、あまり握りこむ必要はなく音が鳴る程度での握りこみで十分です。1弦は人差し指の腹でミュートします。押さえたら6弦から一つずつ弾いて、最後は一気にジャーンと弾いてみて下さい。綺麗に鳴っていますか?とにかく綺麗に鳴るように何度も練習してください。
Fコードの省略した押さえ方
非常に簡単でバレー(セーハ)する形で押さえることができなかった方は、この方法でも問題ありませんので安心してください。
- 6弦ミュート(ピッキングしない)
- 5弦ミュート(薬指の爪を当てる)
- 4弦3フレット薬指
- 3弦2フレット中指
- 2弦1フレット人差し指
- 1弦1フレット人差し指
人差し指で1弦と2弦を押さえる必要があることが特徴です。6弦はピッキングせず、5弦は薬指の爪の部分で触れることで、それぞれミュートします。4弦の小指の位置にルート(根音)のF(ファ)の音がきます。こちらも1弦ずつ弾いて行き、綺麗に鳴ってるか確認してください。
バレーコードの応用
バレーコードは、下の図の6弦1フレットがルート(Root=根音)になっています。1番左はFコードですが、この形のまま人差し指が3フレットに来るように押さえればGコードになり、5フレットに来るように押さえればAコードになります。
ギターの便利なところで、一つの形が出来るようになれば、スライドさせるだけで他のコードが弾けるようになります。もちろん、省略して押さえたFコードの形もそのままスライドさせると、同じように別のコードを弾くことが出来ます。
Fコード:バレーコード攻略法まとめ
- 基本の押さえ方を覚える
- 親指の位置はR(アール)頂点付近にとり、上げすぎない。
- 人差し指は傾きを付けて側面で押さえる
- 中指、薬指、小指を立てる
- 「危険な押さえ方」は矯正する
- 基本のフォームが出来なければ省略フォームを使う
以上をおさえて練習してみて下さい。最初はどちらのフォームも、初心者にとってキツイと感じる部分はどうしてもあると思います。何度か押さえていると、慣れてきて容易にできる時が来ますので、初めての方は基本フォームから挑戦してみることをおすすめします。